法人銀行口座の開設について

法人銀行口座の開設について

会社をはじめとする法人を設立したらやらなければならない手続はいろいろありますが、ビジネス・活動をスタートさせるためにすぐやるべき事といえば、法人の銀行口座の開設ではないかと思います。

取引先から代金を振り込んでもらうのに必要なのは言うまでもありませんし、私たちもおすすめしているクラウド会計では、銀行口座と会計ソフトを同期させ、口座の入出金データを取り込むことでスムーズかつリアルタイムな取引記録を実現していますが、これらはそもそもインターネットバンキングに対応した銀行口座がなければ話が始まりません。口座がないと法人の経理が出来ないと言ってもいいかもしれません。

そこで法人を設立した後真っ先に銀行口座を開設しようとする方は大変多いのですが、ここには個人の銀行口座を開設するのとは全く異なる苦労があります。

設立後の最初の関門というと大げさでしょうか。

2000年代であれば、法人の銀行口座は設立後の登記事項証明書等を用意して、法人所在地の最寄りの支店に行けば、金融機関にもよりますが一般的にはさほど苦労せずに開設することができました。

ところが、近年は、法人の設立は完了したものの銀行口座の開設ができないという方からのご相談を大変多くいただくようになりました。

私が受けた相談の中で一番印象深かったのが、会社を設立し、ベンチャーキャピタルからの出資も決まっているのに、出資金を振り込んでもらう銀行口座が銀行に拒否されて開設できないために、出資が受けられないというものでした。

何だか笑い話のようですが、もちろん当人にとっては全く笑える話ではありませんし、日本全体にとっても有望な企業が新しく誕生する芽を摘んでしまいかねない由々しき事態であります。

口座開設に積極的ではない銀行が多い背景としては、銀行にとって、口座開設が必ずしも収益の拡大に繋がらないという判断(通帳を発行するだけで銀行は印紙税を国に納めなければならず、動きの少ない口座はコストにしかなりません)もあるのでしょうし、国際的にマネーロンダリング対策が強化される中で、金融機関の口座管理の負担が重くなっていることも理由なのではないかと推測しています。

そんな中、新しく法人を立ち上げた皆さんがスムーズに口座開設をするにはどうしたらよいのでしょうか。

一般的に金融機関は口座開設を拒否した理由を教えてくれないので、正確な理由は分からないのですが、私の経験上、口座開設を拒否された法人に共通している要素としては、例えば次のようなことがあります。

  • 法人の事務所の所在地が、通常の物件ではなく、複数の企業でシェアしているサービスオフィスで、住所だけを借りることもできるバーチャルオフィス契約が可能な施設であった
  • 事業内容が、暗号資産など投資を連想させるものであった

と言っても、単純にこれらを避けましょう、というわけにはいかないと思います。サービスオフィスでは、施設やサービスが充実し、普通に物件を借りるよりも高額な費用が発生するところも少なくありません。よって、事業上最適だと思って選んだのに、銀行がよく確認もせずに信用力が低いと判断するのは、納得がいかないという方も多いと思います。まして口座開設のために事業内容を変更しましょうというのは、まさに本末転倒です。

そこで、比較的口座をスムーズに解説できることが多い金融機関として、私がよくおすすめさせていただいているのが、地域密着の地元の信用金庫さんやインターネット専業銀行(ネットバンク)です。

ネットバンクは、リアルな店舗を持たず、インターネット上で銀行サービスを提供する形態の銀行ですが、低コストな分、低い手数料で高機能のサービスを提供している銀行が多い印象です。

うち法人向けのサービスにも力を入れている銀行として主に挙げられるのが、次の4社です。

PayPay銀行
楽天銀行
住信SBIネット銀行
GMOあおぞらネット銀行
    (金融機関コード順)

これらの4社はそれぞれ特徴がありますので、内容を確認しご自身にあった銀行を選んでいただきたいのですが、この中で新規に設立された法人がスムーズに銀行口座を開設するためという観点で、特にご紹介したいのがGMOあおぞらネット銀行です。

私が同社の営業担当者とお話しさせていただいたところによると、同社は新規に設立された法人の銀行口座開設に力を入れて取り組んでいる(今のご時世これは大変珍しく貴重なことです)とのことです。それゆえに、例えば私が先に挙げたサービスオフィスに本社を置いている会社などであっても、それを理由に口座開設を拒否することはなく、審査で何か問題があった場合でも、直ちに門前払いにするのではなく、問題を解消する方法がないのか丁寧に判断しているということでした。

今(2023年6月現在)、同社では新しく口座を開設した法人に対して、振込手数料を無料にする特別キャンペーンを行っているのですが、このようなキャンペーンを行なっている事自体、同社が新設法人の口座開設に積極的に取り組まれている証拠だと思います。

キャンペーンの内容や同社の銀行口座について興味のある方は、こちらからご覧ください。

この記事をご覧いただいている皆様が、法人設立後にスムーズに銀行口座を開設し、事業に邁進できることをお祈りいたします。