名古屋で感じた行政書士業界の変化

先週は1週間ずっと出張で、岡山→広島(江田島)→岡山→大阪→名古屋と移動していました。出張の締めくくりは、金曜日(4月12日)の夜に名古屋で開かれた弊社も加入している行政書士法人会の観桜会(という名の飲み会)への参加だったのですが、名古屋開催ということで、名古屋近辺の行政書士の方々と交流ができてとても楽しい時間でした。

今回特に若手・・というと40代前半の私もまだまだ若手に入る業界なので、厳密に言うと20代前半の若い方々とお話させていただく中で、最近感じていた行政書士業界の変化を改めて強く印象づけられましたので、感じたことを書いてみたいと思います。

まずそもそも「20代前半の若い方々」がいることが大きな変化です。行政書士は、セカンドキャリア(定年後の、であることも珍しくありません)として登録する人がとても多く、平均年齢が高い業界です。

私は2001年、20歳の時に行政書士試験に合格し、今からちょうど17年前の2007年4月に当時26歳で行政書士登録・開業をしたのですが、当時は26歳でも、周囲ではほぼ最年少の行政書士でした。また、大学を卒業して新卒で行政書士になる、という選択肢は正直なかったですし、周囲も学生時代に行政書士試験に合格した人はいても、新卒で行政書士になった人は一人もいなかったはずです。

しかし、今回知り合った中には大学時代に行政書士試験に合格後にそのままま行政書士になった方や卒業後に新卒で行政書士法人に就職した方々がいらっしゃいました。また、お話によると、同年代で行政書士を目指している人は少なくないのだそうです。定量的な話ではなく、エヴィデンスがあるわけでもないですが、私にとってはゼロでないだけで十分驚きです。

開業されている方々については、お話を聞く限りでは、それぞれ専門領域で順調に活躍されているようです。

私自身は、周囲の評価は別として行政書士に可能性を感じたからこそ、この道を選んで参入しました。また、この十数年、行政書士になる方の裾野が広がり優秀な若手が業界に入ってきてくれることを願い、大学や資格試験予備校など色々なところで行政書士の魅力や業務の選び方などについて語ってきましたし、私以外にも何人もの方がそのような活動をしてきたはずです。

活動が実を結んだのか、勝手に時代が変化したのかは分かりませんが、このように若者にとって魅力的に感じられ、若者が入ってくる業界になってきたということは、大変うれしく思います。

セカンドキャリアの方が多いというのは、多種多様な背景を持った方がいるということで、他の士業には無い、行政書士の豊かさだと思うのですが、一方で、年齢の割に行政書士のキャリアが短い方が多くなるという側面があるわけですので、行政書士が高度な専門家として社会から信頼されるためには、それだけではなく、若い時代から専門家として研鑽を積んだ人材もいなければなりません。

そのためには、未経験での一か八かの開業という胆力がいるルートだけではなく、就職する、というルートも必要です。開業組も就職組も現在の若者が、経験を重ね、残酷な時の流れにより私のように中年になったときのことを考えると本当に楽しみです。

しかし、そんな悠長な感傷に浸っている場合か・・という想いもあります。

若者の着眼点や勢いに触れると、まず単純に危機感を感じます。彼、彼女らに負けないように私自身も研鑽を重ねなければならないのは当然として、それだけではなく採用・育成をはじめ業界の変化を踏まえて考え直さなければならないことも多いように思います。

私自身は開業した頃と比べて体力は落ちていますし、若者に敵わないところも多々あるだろうと思います。若者から行政書士の先輩たちはたいしたことないな、と思われないよう、経験を重ねてきたからこそできる、新しい取り組みを実現していきたいと思いを新たにしました。

志や人としての根幹は変わりませんが、それ以外のところは、常に変化し続ける自分でありたいと思います。