本日は、当社が認定アドバイザーとして普及に取り組んでいるクラウド会計サービスのfreeeさんが主催するイベントfreee Advisor Day2023に参加してきました。今回は特にイベント内で行われた「freee Advisor Awards」で当グループがエリアグランプリを受賞したため、私が代表して表彰式に出てきました。
私は、freee業務推進の旗を振っているだけで、実務面の貢献が大きいわけではないので、本来は税理士法人の税理士が出るべきなのだろうとも思いつつ登壇しました。一方で私自身の専門業務である金融許認可については、スタッフへの業務の移譲が思うようには進まず、悩むこともある身としては、このように自分以外の人間の頑張り・成果により、ある意味知らぬ間に表彰されているのは有難いことだとも感じます。直接お客さまにサービスを提供した税理士法人の税理士にあらためて感謝したいと思います。
私もお客さまへの直接的なサービス提供には携わってはいないものの、もともと起業支援をする中で、今でいうfreeeのようなサービスがあったらいいなと空想していたこともあり、これまで自社で9年間ユーザーとしてfreeeを使用し、salesforceやkintoneとの連携も行うなどいろいろ使ってきています。
当社の目指しているワンストップで利用しやすい法律会計サービスの提供を実現する上でも、freeeのプラットホーム上でリアルタイムに集約された情報をグループの様々な資格者専門家が共有をしていくことはとても重要なことであると考えています。これからもfreeeを単なる会計サービスのツールとしてではなく、当社ならではの使い方で大いに活用して、お客さまにより良いサービスを提供していきたいと考えています。
いろいろマスコミを賑わせているリニア建設問題、南アルプスのトンネル区間の工事に着手できないことに憤りつつも、問題の原因である静岡県知事の許可権限が何であるのかこれまで具体的には知らなかったので、調べてみたところ、河川法24条に基づく河川管理者からの占有許可であるらしいことが分かりました。
大井川は一級河川ですが、河川法9条の規定により、一級河川のうち、国土交通大臣が指定する区間については、管理が都道府県知事に委任されるところ、大井川は下流部分は大臣管理であるものの、上流部は指定区間として静岡県知事に管理が委任されているようです。
という事は、理論上は国交省が大井川上流部のリニア工事区間を指定区間から外して、JR東海に大臣の許可を与えれば、工事は行えるということになります。
今まで、なんとなく静岡県知事の問題で、立法でもしない限り解決できないのだと思ってきましたが、調べると国交省の問題であることが分かりました。もちろん簡単にいかない事情はあるのでしょう。法令でもあらかじめ知事の意見を聞かなければならないとされていますし、知事の反対を無視して手続きを進めることは通常ないはずです。しかし、通常でないことが今起きている以上、法令上許されているのであれば、前例にとらわれず対処をとるべきでしょう。
リニア工事はJR東海の事業ですが、国も財政投融資の枠組みで3兆円という多大な金額を貸し付けています。これだけの資金を投入しながら、国として出来ることを十分していないのは、国交省の怠慢です。
国交省は、さんざん失敗してきて先が見通せない知事の説得ではなく、実効性のある対応をとるべきではないか、と許認可手続きを調べて感じました。
小倉です。
想いを書き留めていたら、ちょっと政治評論みたいになってしまいました。政治的な主張ではなく、直後に私なり考える社会分析をまとめておきたい意図ですので、ご容赦ください。
本日11月1日いわゆる大阪都構想の住民投票が投開票され、否決という結果になりました。
私は、生まれてからずっと関東で暮らしており、大阪には地縁はありませんが、5年前と同様、都構想賛成の立場で、重大な関心を持って遠くから見守ってきましたので、がっかりしています。
賛成・反対色々主張されてきていますが、少し生々しい論争を離れて、私なりに注目した観点を述べると、現代人の行動範囲と行政の範囲とのずれ、というところです。
つまり、明治時代の廃藩置県の延長線上にある現在の都道府県、市区町村の範囲と自動車や電車で簡単に移動できる現代人の行動範囲や経済範囲がずれて久しく、この範囲を再定義しなければならないのではないかということです。
これが、とてもわかりやすい形で現れたのが今春のコロナ対策をめぐり法律で権限を付与された各知事の方針の違いだったと思います。
例えば、首都圏の東京・埼玉・神奈川・千葉に代表されるように、人間が都道府県の境に関係なく通勤通学で毎日大量に移動している現実の中で、県ごとに例えば飲食店に自粛要請する・しない等が違うと対策として意味がないにも関わらず、県という範囲で対策が決められてしまったのです。県境という明治時代、もっと言うと律令制の時代の旧国の境と、現代人の移動範囲が合っていないことの弊害が如実に現れました。
この話と大阪都構想との関係が見えにくいかもしれませんが、一言でいうと大阪市は狭すぎる、ということです。
私は日本全国を旅していて肌で感じますが、大阪市は東京を除く他の都市とは違います。
大阪は、近畿大都市圏という首都圏に次ぐ巨大な経済圏の中心です。この点は、他の政令市や本質的に東京の巨大なベッドタウンとしての側面が強い横浜市(横浜を愛する皆さんごめんなさい)とは明確に違います。
(ちなみに横浜市は人口1位ですが、昼間人口は大阪市の方が多いです)
大阪の中心である大阪市が、政令市という都道府県に近い強い力を持っているがゆえに、狭い大阪市域のみを考えた開発・行政をしてしまい、市域の外の大阪府や周辺の府県を含む都市圏全体の中心地としての役割を果たせてこなかったというのが、都構想が主張される背景の本質であると私は考えます。
ある意味、大阪市が大阪市のことだけを考えるというのは当然のことであり、構造上の欠陥としか言いようがありません。
そういう意味で、今回の都構想が実現すれば、全国の他の地域でも議論が活発になり、簡単な道のりではないけれど行き着く先が都道府県の合併による道州制であるとの期待を持っていた私には、単に大阪の問題ではなく、日本全体の行政の枠組みの再構築がさらに遠のくと思えてなりません。
今回の大阪での議論を見ていて、どれだけ理屈をこねくり回しても結局のところ「大阪市がなくなるのが嫌」という素朴な気持ちを動かすことは至難の技であるということを改めて再認識しました。
これは例えば、都道府県を合併させようとした時にも、同じく降りかかる問題であり、改革の難しさというのを思い知らされます。
私の本業である行政手続きにおいても、都道府県という枠が狭すぎるため現代の経済活動に合わず、手続きが煩雑になっていると感じることが多々あります。
手続きが煩雑だと、専門家への依頼は増えて我々は儲かるかもしれませんが、私はもっと本質的なところで勝負したいですし、何よりも社会全体の利益が大切だと思っています。
今回、政治家という仕事の重要さとその限界を改めて感じましたので、私はこれからも行政手続きの専門家として問題意識を持って、私なりに取り組んでいきたいと思っています。
私は歴史を学ぶことが大好きで、古いものや伝統が大好きな人間ですが、歴史を学んでひとつだけはっきり言えることは、人間の歴史の中で変わらないものなど何もないということです。
社会はどんどん変わり、それに合わせて人間も変わらなければ、現状を守る事はできません。
少子高齢化で、「今までのまま」であることがとても難しいことになっていくこれからの時代、大阪市の皆さんには、西の中心の大阪の街を守り、発展させるためにも、今回は変わる決断をしてほしかったですが、こうなった以上は、今の仕組みの中で、より良い大阪を作っていっていただきたいです。それが、日本の利益になると思います。
信託銀行が、企業の株主総会の議決権行使の集計を適正に行っていなかったことが明らかになったという報道がありました。
実は、私は大学卒業後に新卒で入社した信託銀行で、主に上場企業の株主名簿の管理を行う証券代行部門に配属された関係で、総会シーズンの6月になると議決権行使書の集計の手伝いに駆り出されて、報道されている期限内に到着した議決権行使書の一部を集計から除外する慣行に触れました。
当時、新人の私は大学で会社法を学んだ経験もあり、上司におかしいのではないかと訴えましたが、そういうものだと一蹴。
私は銀行員には向いていないと悟るとともに、慣行が白日の下にさらされ、問題になるのは必定と思いましたが、あれからずいぶん時間が経ちました。
告発を考えたこともないわけではなかったのですが、一緒に働いた仲間に迷惑をかけるのは本意でなく、また内部で自浄作用が働いて、もうやってはいないのではないか、と期待していたのですが、そうではなかったようで残念です。
私が士業としてお手伝いすべきでないと考える仕事をお断りするのは、本意でない仕事をやるならば、安定した(と一般には思われている)勤め人を続けたのと変わらないではないかと思うからでもあります。