後遺症と等級認定

後遺症と等級認定

後遺症とは、交通事故の上では後遺障害といいまして、読んで字の如く、障害が後に残ることです。

事故によりケガをして、治療を続けていっても完全に治らずに、症状が一進一退の状態になってしまうことがあります。この残ってしまった部分が後遺症です。

後遺症にも様々あります。例えば、小指がなくなってしまった、小指がマヒしてしまった、小指が痺れる、見た目には戻ったが何故か小指に痛みが残る・・・・・など。
小指に焦点をあてただけでもこれだけの種類があります。では、それをどうやって賠償額として換算していくのでしょうか?

この症状を一番良く分かっているのは・・・・本人です。次に、その症状を医学的に立証してくれるのが医師です。ですから、担当医師に後遺症についての立証書類、「後遺障害診断書」というものを書いてもらう必要があります。
ここで、担当医師が絶対の協力者になるわけですから、交通事故の場合は特に担当医師との信頼関係を築きあげておくことは重要です。
なぜなら、医師は治療のスペシャリスト。いわば、治すのが仕事です。でもここでは、「治せなかった部分」をきちんと丁寧に書いて頂かなくてはならない、心情的には微妙だと思います。

立派な先生に当たるのが一番いいですが、患者さんのことよりも利益優先の先生や、めんどくさいことをやりたがらない先生もいます。そういう場合は、担当医師とのコミュニケーションをよくとり、親睦を深める努力をするのも大事なことです。また、それも難しいような場合は良く調べた上で、早めの転院をお薦めします。
ここで注意してほしいのですが、基本的にはあまり病院をコロコロ変えてはいけません。なるべく、一人の先生に最初から最後まで付き合っていただくのが、立証の一貫性という意味で重要なのです。

「後遺障害診断書」を担当医師に書いてもらったあとは、これを自賠責に提出し、後遺障害等級認定を受けていきます。
平たく言うと、自分のケガの具合を医師に証明してもらい、国に認めてもらいます。
等級が何級まであるかといいますと、実は程度に応じて、要介護1級(4,000万)~14級(75万)まであります。
等級によって支払われるお金も決まっています。

その中にはたくさんの項目があって、例えば、両目失明の場合は1級(3,000万)とか、小指の例でいくと、小指喪失は12級。(224万)小指の用を廃したものは13級。(139万)局部の神経症状14級・・・・といったように細かく定められています。
カッコ内の金額を見ていただければお分かりになるように、等級一つ違うだけで、賠償金もかなり異なってきます。正確な後遺障害診断書を作成して、きちんとした請求手続きをすることにより、適正な等級を認めてもらうことがどれだけ重要なことか、ということになるかと思います。
目に見える後遺症は比較的認めてもらえます。しかし、むちうちや痺れのように目に見えにくい後遺症を認めてもらうこと非常に難しいです。そういった難しいところを含めて、きちんと立証していって、被害者の方が正当な賠償をしてもらえるようにする必要があります。