労働裁判で逆転勝訴したこと ~二段の推定との闘い~|法律サービスであなたのチカラに!トラスティルグループ・スタッフブログ~金融街・日本橋兜町より

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労働裁判で逆転勝訴したこと ~二段の推定との闘い~

2015年2月 3日|山根真(代表弁護士)

皆さま,ご無沙汰しております。山根です。

もう2月に入りましたが,本年もトラスティルグループと,

特に山根をよろしくお願い致します。

 

さて,本年はさい先良く,と言っていいのでしょうか,

先日,労働裁判の控訴審で,逆転勝訴を収めることができました。

一昨年の春から続いていた未払賃金請求訴訟で,

私は会社側(被告)の代理人でしたが,

1審で完全敗訴してからの完全逆転勝訴でした。

 

例えばよくありがちな未払残業代請求の類ですと,正直,

ゼロか百か,みたいな結論は少ないのですが,

本件は,4年間にも渡って,ずっと,基本給の半分以下しか貰っていなかった,

というかなり大胆な趣旨の請求でしたので,

会社としては,そんなことはあり得ないということで,

ある意味和解する余地もなく,徹底的に争う形となりました。

 

書証として,会社が4年間の賃金未払を認め,その全額を原告に支払う旨の「合意書」

なるものがあり,会社印が押印されていました。

裁判の最大の争点は,この合意書が真正なものであるか否か,でした。

つまり,本当に会社がこの合意書を作成したのか,それとも,原告によって偽造されたものか,

ということでした。

 

民事訴訟法を学んだ経験のある方はご記憶にあるかと思いますが,

印鑑大好きの我が国では,ある書面にその者の印鑑が押印されているという事実があるだけで,

その者がその書面を作成した,ということが推定されてしまうのです。

これは,「二段の推定」と呼ばれるものです。

つまり,書面上にある印影と,印鑑の印章が一致すると,それはその者が自らの意思で押印したのだろう,

という推定が働きます(一段目の推定)。

そして,自らの意思で押印したということは,それは,その文書の内容を把握した上で,

その文書を作成したのだろう,という推定が働くということです(二段目の推定)。

 

ですので,会社の方で,本件の「合意書」が偽造されたものであると言うためには,

会社の方で,この「二段の推定」を覆すだけの事情を主張・立証しなければならないわけです。

少し分りにくいですよね。

説明が下手ですみません。

 

1審では,裁判官がこの「二段の推定」を全面的に認め,

そのまま請求金額全額を認める判決が出ました。

こちらが推定を覆すために挙げた諸々の事情

(本件合意書自体の怪しさ,原告の行動の不自然・不合理さ,など)

はことごとくスルー,もしくは,過小に評価されました。

まさに結論ありきの判決,裁判官が判決を書きやすいからその結論にした,

といった印象の判決でした。

正直,勝訴の可能性が高いと踏んでいましたので,

この判決を見た時はとても驚きました。

裁判官に対する失望感,憤り,

依頼者に対して申し訳ない,

自分が情けない,

そういった感情が混沌と溢れてしまい,

しばらく途方に暮れていたことを思い出します。

 

その後,気持ちを切り替えて,控訴し,

ありったけの熱を込めて,控訴理由書を書き上げました。

幸い,高等裁判所の裁判官には,「二段の推定」を覆すために私が挙げた事情が,

ほぼ全面的に理解され,「二段の推定」が覆りました。

そして,1審判決取消し,原告の請求棄却,という完全逆転勝訴判決を獲得することが出来ました。

控訴審の判決を見たときは,嬉しいという想いと,それ以上に,ホッとしましたね。

丁寧かつ常識的な事実認定の上で,あるべき判決を出して下さった高裁の裁判官に感謝申し上げます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

本年のブログはマジメ路線なのかな?

いやいや。

 

 

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