STEP1‐③ 決めた資本金をもとに発行株数とその上限を決める

(二)1株の金額

さて、「株式会社」なので、出資に対しては株式を発行するわけですが、1株いくらで発行するのかを決めましょう。いくらで発行するのかはこれまた自由なので、1円でも100万円でも資本金の範囲内ならば好きなように決められます。世の中では5万円が一番多いパターンなので、決まらない場合にはこの金額にされることをおすすめします。金額が決まったら(二)1株の金額に記入してください。

1株の金額が大きすぎる(例えば500万円)と、小額の出資を受けることがしにくくなります。また、小さすぎる(例えば1円)と、将来株式を当初より安く発行することができなくなります。いずれの場合もあとで増資を行うときなどに不自由する可能性があります。

(ホ)発行する株式数

いくらで発行するか決めたら自動的に発行する株式の数が決まります。たとえば(ロ)で決めた資本金総額が1000万円で、(二)1株の金額が5万円なら、発行する株式数は1000万÷5万=200株ということになります。

この株式数を(ホ)に記入してください。

また、(ハ)株主のところで決めた各株主の出資額を(二)1株の金額で割ると、各株主の株数が出ますので、それを(ハ)株主の欄の中で空白になっていた株数のところに記入してください。

(ヘ)発行可能株式総数

発行する株式数が決まったら、次に会社が発行できる株式の上限(法律では「発行可能株式総数」といいます)を決めましょう。皆さんが設立する譲渡制限会社では、発行する株式数以上であれば何株でも自由ですが、1度決めると変更には株主総会と法務局での手続き、手数料3万円が必要です。

何株でも好きに決めればよい※と思うのですが、決められないという方のためにあえて言えば、発行する株式数の10倍くらいにしておいたらいかがでしょうか?決まったら、その株数を(へ)に記入してください。

※譲渡制限のない会社である程度の株主がいる会社の場合、経営権の問題が発生する可能性があるため、発行可能株式総数をいくつにするかは重大な問題です。しかし、新しく設立される会社はほとんどが社長=大株主ですし、譲渡制限会社は法律上、株主に無断で株式を発行することができないので、あまり問題にはなりません。

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